
ながれぼし
第6章 きみごころ
そして
大事件は起こる。
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「え?大野くん今日誕生日なの?!おめでとー!じゃぁ飲まないとね!」
「何がいい?ビール?それとも甘い系?」
「じゃんじゃんいこー!んじゃカンパーイ!!」
本日、何度目よ?の乾杯コールが室内に響く。
その声に、人に、埋もれる様に座ってるのは、すっかり愛想笑いで顔がひきつった大野っちだ。
そう。日付は飛んで
今日は大野っちの誕生日。
そんでもって先輩との飲みだ。
ワイワイ
ガヤガヤ
会場はまさかの宴会場。
そして先輩が連れてきたのは、まさかのテニスサークルメンバー。しかも全学年。男女込み。
飲み会サークルと言われるだけあってか
あっちこっちで盛り上がっている。
に、しても…
誕生日当日に予定組んでくるって…どんだけ飲みたいんだよ。それに大野っちもOKしちゃうし…
なんなんだ。
あ。櫻ちゃんはというと…
「えー?彼女いるのー?なーんだぁー…」
「ねぇ今度カラオケ行こうよー?」
「あ、櫻井くんのピアスかわいー♪」
↑これだ。
飲み会が始まると同時に、あっという間に女子に囲まれた。
まぁ…そこは彼女持ちの櫻ちゃん。そつなく会話の流れに乗りながらも、やんわりかわす。
はぁ……モテる人は違うよなって思うよ。マジで。
「あれぇ?櫻井くんウーロン茶?飲まないの?」
櫻「うん。まだ未成年なんで。」
「えー偉ーい!」
「かわいー!」
と、キャァキャァ。
…
……
櫻ちゃんて…アイドルかなんかなの??
て、そんな冗談は置いといて
櫻ちゃん。前は酒飲んでたよなー。もういーんだよ。とかなんとか言ってさ。
今日は?大野っちが心配だから?
それともなに?大野っちに感化されちゃったの?
ホント面白いよね。
「なーなー。健これ見てよ。」
「んー?どれー?」
で、俺はというと、同じ2年の奴と騒がしい中、しっぽりと飲んでるところ。
…う~ん。
あれかな。
これだけ人が居れば、例えあの先輩が噂通りの人だとしても、流石に何もしてこないか…。
そう。俺も、きっと櫻ちゃんも
その時は、あんなことが起こるなんてちっとも思ってなかったんだ。
