
ながれぼし
第6章 きみごころ
…
…ん?まてよ。
クール…?
いや、櫻ちゃんって別にクールじゃなくね?
だって普通に大口開けてゲラゲラ笑うし、飯だって好物にがっつく子供みたいに食うし。すぐ怒るし。
そうだな。全然クールじゃねーな。
櫻「…おい。」
顔、真っ赤にするところなんてのは初めて見たけど、寧ろさっきみたいにペラペラ喋るのが素なのか?
櫻「おい。タケ。」
えー?なにそれ。てことはなに?普段はただクールに見せようと格好付けてるだけ?
それちょっと恥ずかし…
櫻「おい!全部聞こえてるかんな!わざとか?!それ以上言ったら悪口になるぞ!」
目の前で、まだ顔を赤くし
スネ夫顔の櫻ちゃん。
「あれ?うそー。漏れてた?」
なんて、すっとぼけ
櫻「…あのなぁ言っとくけど、俺は別にクールじゃねーし、クールなろうとしてる訳でもそんなつもないからな!」
と、俺をビシッと指差した。
「へぇ」
じぃー…(←凝視)
櫻「…な、なんだよ?」
「そんなことはどうでも良くてさ。」
今はね。
櫻「は、あぁ?!」
「俺はこの通り意識も体もピンピンしてるわけよ。だから気にせず帰って。俺、まだまだ飲み足んない。」
本当は…
櫻「…は」
本当はね…
「この店のトイレの場所分かりにくくてさぁ。反対方向だったみたい。」
ドキドキしていた
櫻「……」
心が…ドキドキしてて…
すごく…
すごく嬉しかった
「そいじゃね。櫻ちゃん、しっかり大野っち送ってね。あ、襲うなよぉ(笑)」
俺はビシッと指を差し返した。
櫻「……タケ…」
櫻ちゃんに笑いかけて、寝ている大野っちに「おやすみ」とヒラヒラと手を振って、絶対にふらつかないようにと脚に力を入れ、体の向きを変え歩き始めた…
「っ」
その時だ
「あれ、健。こんなとこで何してんの?煙草?」
進行方向に現れたのは、途中まで俺の隣に座って奴
「あ。櫻井くんと大野くんもいんじゃん。」
それと、外まで待ちきれないのか、すでに指に煙草を挟んだ、俺らと同学の奴等が2人
…そして
先輩「あー大野くん。こんなところに居たんだ。やっと見ぃつけた♪」
「…」
櫻「…」
あの先輩だ。
