
ながれぼし
第6章 きみごころ
『翔くん、大すきー♪♪』
舌足らずに発した言葉。
そのちょっと前に、するり。と櫻ちゃんから離れた大野っち。
驚いた…
いやー驚いた…まさか本当に付き合ってたとは…
驚き桃の木…なんとやらだ。
……
………
へぇなんだ…
俺、知らんかった
…ま、そうだよな。
あ、『大野くんには私じゃない。』って元カノが言ってた意味ってこれか。
つーかよ?
こんなところで投下されたバクダン。
酔った勢いとはいえ…このメンバーの前でカミングアウトは……どうなの?
大「えへへへへぇ…………」
当事者の1人は、さっきっから笑い続けている。
カオス。
櫻「△◎%&▽☆%」
そしてみるみると、どこもかしこも真っ赤っかになっていく櫻ちゃん。
さっきっから、口をパクパク動かし何か言おうとしてるけど、言葉になってない。
ガオー♪の手はそのままに…
カオス。
大「……ふぁ…あーねむ……」
でへへへへ。と笑っていたバクダン魔は、そう呟いて今度は櫻ちゃんが居ない方へ
コロン。と横になった。
…すぅ…すぅ…
直ぐに聞こえてきた気持ち良さそうな寝息。
櫻「あ……え…さと……なに……え…?」
壊れかけのラジオか。
「っなに?!!お前らってそういう事だったの??!」
「まじびっくりした!!いっつも一緒でスゲー仲良いなって思ってたけど…いやーすげーもん見たわ!」
「俺…初めて見た。男同士って……うわぁ…」
弾けたように始まった
ガヤのガヤ。
……
なんでお前らまで顔赤くなってんだよ。
櫻「…へ?え?…………ぁ!違う!違う!
俺と智くんはそういうんじゃ……違うからっ!」
「いーよいーよ。隠さなくて。
驚いたけど、大野くんと櫻井くんならアリだな。」
櫻「っだからっ!ちげーって言ってんだろ!」
「またまたぁ。照れんなって。」
櫻「照れてねぇ!!」
また騒がしくなった。
こんなの店員も慣れっこなのか?
そんな事を考えつつ俺は
元の部屋へ向かうべく、踵を返した。
てか今更慌てたってさ
潔く認めればいいのに。と思う。
だって、その方が大野っちのこと堂々と守れんじゃ……
あれ?
そういえば。と辺りを見回したけど
いつの間にか、あの先輩の姿は…影も形も無かった。
