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ながれぼし

第6章 きみごころ




「…わかってない?」

何が?何怒ってんの?
ここは俺が怒るべきシーンなんじゃないの?

訳もわからず、強烈なデコピンをされてさ
…て、あれ?
なんでこんな事になってんだ…

櫻「タケ。」


「、はいっ!」

思わずだ
ここが学校だったら満点の返事出ちゃった

櫻「…」

先生…じゃなくて櫻ちゃんは、尚もむすっ。とした顔で俺を見据えてくる

「なんだよ。」

いまだにジンジン。と痛むおでこ
俺が怒ってるんだからな!

けど…
櫻「…なぁタケ。この際言わせてもらうけどな。」
櫻ちゃんの余りにも真剣な声に

「……な、なんだよ…」←怖じ気付く奴



…ごくっ…

…え?え?なに…?てか俺、デコピンの前って何してたっけ?

コンビニから帰って来て、ベンチ座って……
確か、櫻ちゃんに「ごめん」の意味を聞かれて…そしたら…櫻ちゃんに背中擦すられて、なんか内側から何かがドバッ!ときて…それで…俺…




……

あ…
俺言ったな

「なんで!なんで私に付き合ってること言ってくれなかったのよ?!」
的な超ウザい女の子みたいなこと

言っちゃったな


…これだ、これじゃん
櫻ちゃんの不機嫌の理由



……きっと
「わかってないなお前。言う必要がないからだろ。お前に関係ないんだよマジでウザい。」とか言われるのかな…

そりゃそうだよね
でも…嫌だな…凄く嫌だな
明日学校休んでいいかな…



櫻「なんでまた泣きそうな顔してんだよ……あーーさっきのな。さっきのは俺が悪い。
余りにもタケが阿保なこと言うからさ、あったまきて。デコ悪かった。ごめんな。」


「ぇ…あ、え?うん…ぇ?」


櫻「でもな。タケはわかってないんだよ。俺と智くんの事も。自分の事も。」
そう言いながら櫻ちゃんは、首を傾け俺を覗き込む



櫻「いつも驚くくらい周り見てて、気遣って助けくれんじゃん。俺、何度もそれに助けられてんだよ。今日だってそうだ。タケが居なかったら智くんの頑張りを全部無駄にしてた。だから俺はタケにお礼が言いたかったのに…」

あ…さっきの『ありがとな』って…?

櫻「俺は、タケが守りたいって思ってくれてた事知って、嬉しかった。なのに『思っちゃいけなかったのに』って何?人を守りたいって想う事に、資格とかなんかいんの?そんなの必要ねーだろ。」

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