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ながれぼし

第6章 きみごころ



2人に出会って、1年半

人生の中のたかが、1年半

けど

されど、1年半



.


櫻「………はぁぁ…」

櫻ちゃんの溜めに溜めた溜め息

「…」


そして
櫻「やっぱりさ…タケ、馬鹿だよなぁ」

ディスる

「……」


…でも

そんなことされたって
もう怖くも
嫌でも
家に帰りたくなったりしないのは


「櫻ちゃん。馬鹿って言った方が馬鹿なんだって、さっき誰かが言ってたけど?」


櫻「、ふはっ!じゃぁタケは阿保だな阿保(笑)」

そうやって、いつもの眼差しで
いつもの顔で笑っててくれるから

…だから、気にしない。

あ、違うか
気にならない。んだ。


「そっかなぁ。」


櫻「そーだよ。だってさ…」
そこで櫻ちゃんは少しだけ間を空けて、俺の目をしっかりと見て

「俺達 とっくに友達だっただろ。」

ってニカっ。て笑ってくれたから


「、」


櫻「てゆーかぁ。今更なんだよ今更。改めて言うことでもないだろ。」

そしてそこで照れんだもん。
…やっぱ面白いよね。




……あーあ、ホント面白い



……

………っ


櫻「え?おい!また泣く?!」


「うっせぇなぁ…!空気読めや馬鹿。」


櫻「馬鹿って……ふぅーん。…じゃぁさ?
今から俺が言うこと良く聞けよ。」


「え…?なに…」


櫻「俺は、タケを友達だと思ってねーから。」


「っ!?」


櫻「俺はタケを勝手に…うぐっ…!」
「っ待って!」

櫻ちゃんの言葉が止まったのは、俺が両手で櫻ちゃんの口を押さえたから

…けど

櫻「っぷは。そんなんで止められるかよ。」
そりゃ1歩下がれば手は口から直ぐに剥がされて

「待ってって!」

櫻「なんで?」

「…俺…俺、今期待しちゃってる!だから。もし違ったらガチで泣く!」

櫻ちゃんの口から出でくるであろう
その"フレーズ"を…


櫻「…ふっ…。なら泣けばいいじゃん。」

「なっ…」


櫻「よーく聞けよ。

俺は、タケのこと勝手に"親友"だと思ってるから。」


「…〜っ!」


櫻「っあはは!」


笑った…笑われた
けど、その顔が見えないのは


ボロボロと落ちる涙のせいで



ふと…

『俺は勝手に友達…じゃなかった。親友だと思ってるからいいよー♪』


あの日のファミレスにいた彼らのことを思い出した。



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