テキストサイズ

ながれぼし

第6章 きみごころ



**

山田「次の講義だりぃなぁ。」


「あー…食った後だから眠くなるよな。あの先生、声がお経みたいだしね。」


山田「サボろっかなぁ…健もサボらね?」


「サボらんよ。」


山田「だよなー。健って意外にも真面目だよな。」


「良く言われちゃうー。」

結局、じゃぁ俺も真面目に受けよ。と言って、2人で次の教室へと向かう。



.


波乱万丈だった大野っちの20歳のバースデーから、数日

俺は、特に変わらない学校生活を送っている


櫻ちゃんや大野っちとは、講義や空きコマが被れば一緒に居るし、合わなきゃこうして山田とか他の人と一緒にいる

別に、学校終わりに遊ぶ回数が増えた訳でもない


なんも変わらず

なんもね。


けど…

山田「…何ニヤついてんだよ?」


「え?俺?」


山田「お前以外誰がいんだよ。つーか最近良くニヤけてるよな…てか楽しそう?」


「…マジ?俺ヤバい奴じゃん。えへへ。」

心当たりは大有りだけどね

山田「キモ………」
顔を引き吊らせた山田


でも気になんない


だって、だってさ
全然違うんだよ

何って?世界が?
見える世界が全然違うんだよ

大げさか。メルヘンか。とか思われちゃうかもだけど

あの日、櫻ちゃんと大野っちに、友達…親友って言って貰えてから

こんなにも、世界がキラキラと輝いてんだもん


そりゃ、嬉しくて、楽しくて、ニヤニヤもしちゃうでしょ?いいでしょ?そんくらいさ?

それに…なんも変わらないってことはさ
『とっくに友達だっただろ。』
櫻ちゃんが言ってた通りなんだなって…


でへへ←


山田「キショ………ま、いいや。
てかさー。いつんなったら飲み会セッティングしてくれんの?」



……飲み?

山田「大野くん!」


「あ。忘れてた。」


山田「おい。焼き肉奢ったじゃん。」


「…え?いつ?」


山田「いつって、先月。」


「………はぁ?あれ俺も金出したじゃん!」


山田「端数は俺が出した。つーことで今月中な。約束破るなよ?」
ドヤ。



汚ったなぁ…

「自分で誘えばいいじゃん…」


山田「緊張しちゃって無理!だから友達の健にお願いしてんの!」

…なんだよ緊張て
てか何?お前もしかして大野っち狙い…じゃねーよな…


でも
"友達"

うん。いい響きだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ