
ながれぼし
第6章 きみごころ
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山田「次の講義だりぃなぁ。」
「あー…食った後だから眠くなるよな。あの先生、声がお経みたいだしね。」
山田「サボろっかなぁ…健もサボらね?」
「サボらんよ。」
山田「だよなー。健って意外にも真面目だよな。」
「良く言われちゃうー。」
結局、じゃぁ俺も真面目に受けよ。と言って、2人で次の教室へと向かう。
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波乱万丈だった大野っちの20歳のバースデーから、数日
俺は、特に変わらない学校生活を送っている
櫻ちゃんや大野っちとは、講義や空きコマが被れば一緒に居るし、合わなきゃこうして山田とか他の人と一緒にいる
別に、学校終わりに遊ぶ回数が増えた訳でもない
なんも変わらず
なんもね。
けど…
山田「…何ニヤついてんだよ?」
「え?俺?」
山田「お前以外誰がいんだよ。つーか最近良くニヤけてるよな…てか楽しそう?」
「…マジ?俺ヤバい奴じゃん。えへへ。」
心当たりは大有りだけどね
山田「キモ………」
顔を引き吊らせた山田
でも気になんない
だって、だってさ
全然違うんだよ
何って?世界が?
見える世界が全然違うんだよ
大げさか。メルヘンか。とか思われちゃうかもだけど
あの日、櫻ちゃんと大野っちに、友達…親友って言って貰えてから
こんなにも、世界がキラキラと輝いてんだもん
そりゃ、嬉しくて、楽しくて、ニヤニヤもしちゃうでしょ?いいでしょ?そんくらいさ?
それに…なんも変わらないってことはさ
『とっくに友達だっただろ。』
櫻ちゃんが言ってた通りなんだなって…
でへへ←
山田「キショ………ま、いいや。
てかさー。いつんなったら飲み会セッティングしてくれんの?」
…
……飲み?
山田「大野くん!」
「あ。忘れてた。」
山田「おい。焼き肉奢ったじゃん。」
「…え?いつ?」
山田「いつって、先月。」
「………はぁ?あれ俺も金出したじゃん!」
山田「端数は俺が出した。つーことで今月中な。約束破るなよ?」
ドヤ。
…
汚ったなぁ…
「自分で誘えばいいじゃん…」
山田「緊張しちゃって無理!だから友達の健にお願いしてんの!」
…なんだよ緊張て
てか何?お前もしかして大野っち狙い…じゃねーよな…
でも
"友達"
うん。いい響きだ。
