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and you

第3章 初恋はみつのあじ M×N






M side




「ぶっ、あはははははっ。」
「ちょ、おい!笑うなよ!」



放課後。
約束通り、翔は俺の相談に乗ってくれると言って
二人で駅前のマックにまでやって来た。


話を聞いてる途中から笑いを堪えるような
顔になってるとは思ったけど、

爆笑までするか!?こいつ。


「はぁー、落ち着いた。笑って悪かったよ。
 まさかそんな相談だとは思ってなくてさ。」
「こっちは真剣だよ…。」
「あの潤が、ねぇ。」


ジュースをストローでちゅーと吸い上げながら
ニヤニヤしてこちらを見てる。


言おうとしてることは分かる。

今までの俺の恋愛の大半を知ってるこいつは、
俺が恋愛で悩むのは面倒くさい女の子と
別れる方法だけだったと知っている。

エッチが出来ないなんて話を
したことなんて今まで一度もなかった。


「もう五ヶ月だっけ?
 ニノさんと付き合って。」
「うん。」
「あの潤が五ヶ月も我慢してるんだろ?
 すげぇな。」


また豪快に笑う翔をにらみつつ、
ポテトを口に運ぶ。


「そんなに大事なんだ。」
「…当たり前だろ。」
「ふぅーん…。
 あのニノさんがまさか渋ってる、っていうか
 そういうこと全くしないなんて意外だな。」
「あの和さん?」
「あれ?お前知らないの?
 中学の時のニノさん。」



そのあと、翔の口から落とされた爆弾は
俺の悩みを解決するどころか、
今までよりも悩みの種をはるかに大きくさせた。


開いた口が塞がらないとはこのことで、
きっと俺はずっと間抜けな顔を翔に
さらしていただろう。


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