ただ今嫉妬宮発動中!
第4章 嫉妬宮その2~N×J×S★更に続きの章★
N「……分かんない」
ボソッと小さな声で呟く。
だって本当に分からない。
潤のことは何でも分かってるつもりでいた。
……。
でも……でも
こんな事は初めてで。
本当に、分かんないや
S 「あのさ、潤、金持ってったのか?」
N「……分かんない」
見てないから。
俺の部屋から出てった潤の後ろ姿しか
見なかったから。
多分、でも財布も持たずに出てったんだろうな。
スマホだけは、ポッケにでも入れてたんだろうか。
頭を両手で抱え込んだ。
潤の居場所すら心当たりがない自分に苛つきを
覚え、情けなくなった。
潤を思うと、この雨の中一体どこにいるのか……
それに……
さっきの電話の
「さよなら」
って……
あの耳に残った潤の声が泣きそうだったし
不安で胸が苦しくなる。
「さよなら」なんて
そんな事も。
産まれて初めて潤の口から聞いたし。
やめろ。
潤
潤
潤
身体がまた勝手ガタガタに震えてきて……
頭を抱え込んだ手も小刻みに震えた。