ただ今嫉妬宮発動中!
第4章 嫉妬宮その2~N×J×S★更に続きの章★
自分ちの前まで送ってもらった俺は
運転手さんにドアを開けてもらったあと
振り返らずに降りた。
N「…………」
翔に言わなきゃならない言葉を。
ちゃんと、こういう時潤なら必ず相手に言うで
あろう言葉を……俺は一息飲み込んでから言った。
運転手さんは、そんな俺に気を使うようにまだ
ドアを閉めないでいてくれた。
クルッと翔のほうを振り返って……
N「こんな夜中に俺らの為にありがと……な」
頭を下げた。
S「ちょっ、おぃぃ!かず、止めろぉそういうの」
翔が夜中だから、小声で慌てた様子でそう
言って、
S「大事な奴らだから当たり前の事したって
くらいに思っててくれよな?朝になったら
また、その辺回ってみっから!な?」
N「……」
優しい顔してこっちを見る翔に俺は。
今まで感じた事のないような感覚を覚えた。
N「……本当にありがとう。また、連絡する」
それだけ言うのが何故か精一杯で。
それ以上喋れば目からなんか溢れてきそうな
感覚で……
N「じゃあ、ありがとうございました」
運転手さんにも、頭を下げて振り返らずに
俺は玄関に向かった。
俺がちゃんと入るのを確認してから
車が発車する音が聞こえた。
……あんな奴。
今までで本当に初めてだ。
……潤、俺はお前が居なくなって初めて
お前が大事にしたかったものが何だったのか
分かった気がするよ……
潤。
帰ってこい。
絶対に。
話したいこと沢山あるからさ。