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テントの中でなんとやら

第1章 濡れた記念日

 それは、グレイスケリー出演の映画の券だった。

 いつの映画?

 いま、やってるの!?

 たしか、その女優、亡くなったよね?

 その映画館、ひょっとして、普段ピンク映画流してるところじゃないでしょうね! 500円で入場出来るような……。


 そして、この時わかった。

 これは、体験したんじゃない。





 聴いたってことを……。

 この流れ……歌よね?

 おそらく、私が思うのは、次に出すのは写真かと……。

「あ、そうそう、珍しいものを見つけたんだ」

「え、なに?」

「ヴィヴィアンリーのプロマイド」

 やっぱり!

 ダメダメ!

 こうちゃん、歌を参考にプレゼントさがしてんじゃん。ヴィヴィアンリーって誰よ!

 口に出したこと一度も無いのに、よくプレゼントしようと思ったものね。

 ……て言うか、よく見付けてきたわね。市内を回っただけじゃ、絶対見つからないわよ。

 この人、ギリギリ昭和生まれの、31歳で、超アナログ人間だから、ネットで物を買うのが苦手なの。

「まだまだあるよ」

「ほんとに!?」

 いや、ここから先は、もう欲しくない。だって、興味ないし。次は絶対……

「バディホリーのドーナツ盤」
「バディホリーのドーナツ盤」


 ハモった。

「えっ!? なんでわかったの!?」

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