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テントの中でなんとやら

第1章 濡れた記念日

 わかるわよ!

 てか、なんで、これをプレゼントしようと思った?

 CDであっても、欲しくないわよ。

 私が聞くのは「MAN WITH A MISSION」よ。オオカミが好きなの。

 こんなの貰ったって……

「はい、これ」

「嬉しい、ありがとう♪」

 素直に貰う私……。

「あと、オードリーヘップバーンの写真集があるんだ」

 あ、そこは忘れたわ。歌詞とそれがあってるかどうかわからないけど、後半になるにつれ、いらなくなってくる。

 欲しい人にとっては、喉から手が出るほどものにしたいお宝なのかもしれないけど、私からすれば、無価値。

 ゴミと同じ。

「この写真、いいだろう」

「すごーいっ! ありがとーーっ!」

 私、バカだよね。

 こうちゃんじゃなかったら、こんなの顔に叩き付けてやるわよ。  

 ま、この写真集なら古本屋で売れるわね……でも……次にくるのって確か……

 あの歌詞によれば、お菓子が詰まった赤い靴……だわ。

 えぇーー、子供じゃあるまいし、それもらってもどういう反応をすればいいか、困るんですけど……

 よく見ると、こうちゃんは次に出すものをなにかメモのようなものを見ながら、出している。


 歌詞カードね。

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