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テントの中でなんとやら

第1章 濡れた記念日

 こうちゃんは、またリュックの中から取り出した。

 よく入るリュックだこと。

「はい、1つとばしてテディベアのぬいぐるみ。かわいいだろ」

 いま、1つとばしてって言ったよね!?

 やっぱり、あの歌詞を再現してるわよね。

 なに、お菓子が詰まった赤い靴はどうした!?

 見付からなかったの!?


 グレイスケリーやヴィヴィアンリー見付けて、なぜそれが見付からない!?

 逆でしょ!?

 ヘップバーンより、お菓子の方が、まだ需要あるでしょ!!

 そんな写真集見付けるより、そっちを見付けなさいよ!

 クリスマス前に売ってるような、あんなバシバシのブーツでなくても、歌詞には赤い靴しか言ってないんだから、赤い長靴でも買ってきて適当にお菓子詰めれば出来るでしょ!!

 そこ、臨機応変にしなさいよ!


 で、そのテディベア、くれるのね。

「これ、最近気にいって、いつも抱いて寝てるんだよね」

 見せただけかい!

 あんたの、寝る時のお供はどうでもいいわよ。イメージキモいわ。

 てか、一緒に寝るの、私よりテディベアがいいの!?

 なんか、ジェラシー感じるんだけど……。


「これと、お揃いのを買ってきたんだ」

「ありがとう♪」

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