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テントの中でなんとやら

第2章 謎の生物

 それから数分後、小雨が降るなか、俺は向こうの山を眺めた。

 すると、向こうの山の表面に赤い「大」の字が浮かんだ。

.・/⌒ヽ 
./ 大 \ 
/     \~~~
/ ̄\/ ̄\/ ̄\


 あんな小山で大文字焼きをするってことは、間違いない。あそこにいるのは、滝繁だ。

 明日、間違いなく、ヤフーニュースで問題になるな。

 あいつ、そうなったら仕事大丈夫なのか?

 俺は、まだソラジローでなんとかやっていける。だが、あいつ、レギュラーもってたよな。

 知らないと思うが、マ○コデラックスの中身は、滝繁だ。

 マツ○着ぐるみ説が、昔、都市伝説で拡がったが、それを拡げたのは、滝繁だ。

 なにがやりたかったのか、いまだによくわからない。


 俺は、テントのランプを消し、双眼鏡で山周辺を見渡した。

 まだ空には、雨雲が敷き詰められ、顔に当たる程度の雨が止まることなく降り続いていた。

 やがて大文字焼きの火が、薄くなっていくのがわかる。

 風情のあるものをここで見せられても、後々、不安しか残らない。

 俺の手紙が向こうにあるからな……あれをやるように促したのが、俺みたいになってしまっている。

 証拠隠滅してくれていることを、俺がなによりも望んでいた。

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