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テントの中でなんとやら

第1章 濡れた記念日

 でも、UMAマニアでもティンカーベルの目撃なんて、いま初めて知った。

 それがこんな田舎の小さな山にいるなんて……。

「ま、見付けたら、学界に発表してやるさ。さて、これを……」

 こうちゃんは、リュックから小さな紙の袋を出した。

「これをあげよう」と、私の手のひらに乗せてくれた。

「これ……なに?」

「開けてごらん」

 私は袋を開けて見た。

「あ……かわいい」

 中から出たのは、走ってるキリンを型どったものがぶら下がっている、ピアスだった。

「え~、かわいいかわいい。まるで、キリンが逆立ちしてるみたい」

「プレゼントさ」

「嬉しいっ! ありがとう」

 でも、私はピアスの穴を開けていない。

 耳に、針を貫通させろって話よね。

 自分がプレゼントしたもので、彼女の体が傷付くってことがわからないのかしら?

 いや、でも、これはお洒落の1つ。穴を開けるといっても、ボディサスペンションをするわけじゃないから、まあ、いいか。

「まだあるんだ」と、こうちゃんはふたたびリュックの中に手を入れた。

 こうちゃんはなにかを取り出すと、私の頭にポスンとかぶせた。

「え、これ、帽子?」

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