あたしの好きな人
第7章 セフレの固執
倉庫を出て、資料を抱えて、エレベーターに乗り、披露宴会場の下準備に向かう。
ぼんやりとエレベーターの数字を見つめて、ため息をついた。
……疲れていた。
体も……心も……。
エレベーターに乗ってるせいか、ふらついているし、体調も優れない。
……エッチのし過ぎで寝不足とか、あり得ない、あり得ないよ。
チンという音がして、エレベーターが開き、誰かが入って来た。
頭を抱えて、清涼な空気と共に、
……コロンの香りがして、ハッと顔を上げた。
「……よお、何だよお前、顔色悪りぃじゃねぇか、ちゃんと食べてんのか?」
「……岳…人!?」
……信じられない。
相変わらずの目が覚めるような美形、派手な存在感に胸が震えて、
信じられない思いで首を振った。
「……な…んで、あんたがここにいるの……!?」
言いたいことは沢山あったのに、視界が急に暗くなり、
世界が急によがんで見えて、崩れるように、あたしは意識を失ったんだ。