あたしの好きな人
第9章 恋しない女
くすりと笑う皓さん。
「セックスしたら僕を好きになるかもしれないから?」
「そんな訳ないでしょ、自惚れないで」
「じゃあ、名前教えて、覚えるから」
まるですぐに忘れることがあるような言い方だ。
いつもこんな感じで、女性を口説いてきた癖に、いちいち付き合う気もない。
「覚える気もないくせに」
つんと顔を反らせたまま、服は脱がされていく。
スーツの上着を脱がされ、床の上に落とされ、タイトスカートも脱がされる。
下着姿だけになり、ため息をつきながら、じっと見下ろされた。
自分の着ている、スーツのポケットから、マジックを取り出されて、渡された。
「絶対忘れないから書いてくれないか?」
スーツの上着を脱いで、シャツを脱ぎ捨てる。
逞しい腕を差し出された。
……ここに書けってこと?
マジックの蓋を外して、少し考えてしまう。
「早く書け…って、なにを書いてるんだ?」
素直に書くのも癪だったから、桜の花びらの絵を書いた。
絵を書くのは苦手な方だから、よがんでしまったし、分からないかもしれない。
「下手くそな絵だな?……桜の花びら?……さくらか?」
「……分かった?字は違うけどね?」
「……咲良ね?……じゃあ、しようか?ゲームのはじまりだ」
それが合図のように、体にキスの雨が降った。
「……んっ…はっ…あっ…っ!」
ブラジャーのホックがするりと外されて、首筋に舌が這う。
そのまま背中を向かされて、つっと舌が這い、痺れるような快感に、ぴくりと体が震えた。
「……声、我慢しなくても大丈夫だから、……ここ、気持ちいい?」
背中に舌が這い、下に下りていくと思ったら、胸元に回っていき、
あたしのあそこに、指がゆっくりと入った。
つぷっ、つぷつぷ、ちゅく、ちゅく、
優しい手つきで出し入れされて、腰がぴくりと震えてしまう。
「あっ…あっ…んっ…んんっ…!」
「……キツっ…、ひょっとしてご無沙汰だった?……キツいのに、すごい濡れてる……」
「……うるさ…っ、……んん…っ!」
胸を優しく揉まれて、先端の蕾にもキスをされ、舌先で転がされて、
むくむくになる乳首に快感が伝わる。