あたしの好きな人
第3章 友人が本気になったら
オバチャンとおばあちゃんに、散々からかわれて、居たたまれない時間を過ごして、
リンゴを食べて、同室の人達にもお裾分けして、逃げるように、病室を出たんだ。
……恥ずかしい。
岳人はおばあちゃんの部屋で、あたしとそのうち結婚するから安心するように言って、
大学時代のなれそめ(?)まで話して、しかも今ではアパートに行く間柄だとまで言ってたらしい。
……まぁ、嘘ではないけど。
嘘ではないんだけどね。
恥ずかしいでしょう、ばか岳人~。
赤面しながら家に帰ろうとして、岳人の店になんとなく足が向いて、
そのドアを開けた。