あたしの好きな人
第3章 友人が本気になったら
「一応カミヤダイニングの息子だし、将来も安泰だ、お前の理想どうり、お前のことも誰よりも愛している、だから……早く俺のモノになれよ」
じっと鋭い眼差しで見つめられる。
だけど……確かに理想的なのに、どうしてだか恐い。
勝手に気にしてしまっている自分もいる。
そんな自分が嫌なのに……。
「あとなぁ、お前の会社の可愛い後輩、あいつには気をつけろ、ああいうタイプはストーカーにもなりかねねぇ、暫く俺が張り付いてやるよ」
あたしは黙って岳人の顔をただ見つめていたんだ。
何かが変わる予感に、ほんの少し不安になった。