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あたしの好きな人

第1章 会社の部下




二人でバーを出て、日野くんに手を繋がれて、ラブホ街へと歩いて行く。

お酒に酔ったから?

色んな人とお付き合いはしたけど、すぐにベッドインした訳じゃない。

どちらかというと、すぐにセックスしたがる男を軽蔑していた。

そういうことしたいだけなら、あたしじゃなくてもいいでしょ?

そんな可愛いげないこと言ってたから、振られてたんだろうけど。

街中で手を繋ぐのも、恥ずかしくて、嫌だったのに……。

指と指を絡めた恋人繋ぎに、ドキドキしているあたしがいる。



ラブホに入って、部屋を決めて、エレベーターの中で緊張して俯いてしまう。

「咲良先輩?」

少し掠れた、艶やかな声に顔を上げて、奪われるように唇が重なる。

「……ふっ…んあっ…」

舌を絡められ、あたしの口の中を、日野くんの舌が侵入して、

激しく絡められて、足元がふらついた。

痺れるような、気持ちいいキスに、立っていられなくなり、体を支えられ、腰に手が回る。

「……可愛い」

唇が離れて、至近距離でくすりとした笑顔が視界に入る。

……こんなに綺麗な顔してたんだ。

うっとりと見つめ合って、エレベーターが止まり、点滅している部屋番号のドアを開けた。



ドアの向こうに入った瞬間、靴を脱ぐよりも先に、再び唇が重なる。

「……あっ…待って……っ」

理性が飛ぶような、激しいキス。

キスしながらも、靴を脱がされて、抱きしめられて、服が脱がされていく。

「……ごめん、待てない、……ずっとこうなることを、願っていたから、余裕がなくて、ごめん……」

掠れた甘い声で、耳元で囁かれてゾクゾクした。

がこん、音をたてて、パンプスが脱がされて、タイトスカートが捲り上げられて、

恥ずかしくて短い悲鳴を洩らして、唇で塞がれた。

パンストと下着がずらされて、日野くんの手が、あたしのあそこを探るように触れた。

「……あっ、日野くん…っ、待っ…っ…!」

「哲(さとし)です、咲良さん……」

探るような、哲の手が、あたしのあそこを縦に往復して、潤いを確認するように、

つぷり、指が入った。

「……はっ…!……あぁっ…!」

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