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僕らのらんど

第5章 美女と兎

その時、僕の右手に冷たいものが当たった。

「ん?」

いつの間にかテーブルに、水の入ったグラスが置いてあった。
しかし微妙に量が少ない。
するとまたテーブルの下から、グラスを持った白い手とウサギの耳がニョキッと現れた。

「お……お待たせしました……ぴょん……」

テーブルの下にいるソレはプルプルしながらグラスをテーブルに置く。
何かと思い、通路側に座っていた僕と月影はテーブルの下を覗いてみた。

「!」

なんとそこには二本の足で立つ、本物の白ウサギがいた。
シャツとズボンの制服を着たウサギが、まるで人間のように喋り動いている。

「かわいい~~!!」

真っ先に叫んだのはアカツキちゃんだった。

「なになに? この店のマスコット!? ウサギが接客してるなんて…可愛すぎるぅぅ!!」

とっさに白ウサギに手を伸ばし抱きしめるアカツキちゃん。

「あ、こらっ…やめるぴょん!」

白ウサギはアカツキちゃんの腕の中でジタバタ暴れる。

「こら、アカツキ。無理矢理抱きしめるんじゃねえ」

すると今まで黙っていたれんじが口を開いた。


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