無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

食事を終えると、僕たちはすぐに店を出た。
昼時だからか、ウサギ耳のウェイトレスがいるからなのか店内はすごく混雑していて、とてもゆっくり話ができる状態ではなかった。

「なんか…普段と変わらない光景だよな」

「そうね、みんな一般人なのかしら？ 今のところプレイヤーは私たちだけみたいよね」

「もしかしたら彼らはＮＰＣなのかもしれませんよ」

ヒロキさんが聞き慣れないことを言った。

「ＮＰＣってなんですか？」

月影も気になったようで話に入ってくる。

「ＮＰＣとはノンプレイヤーキャラクターのことですよ。村人や兵士、王様や王女様など、プレイヤーたちがゲームストーリーを進めるためにうまく誘導してくれる存在のことです」

「モンスター倒してとか依頼してきたりね！」

会計の時にもらったペロペロキャンディーを舐めながらアカツキちゃんは言った。

ＮＰＣか…。
何回話しかけても与えられた言葉しか話さない、意思を持たないキャラクター。
しかしそんなＮＰＣと絡むイベントで涙を流したことはある。それはシナリオを作った運営の腕が良かったんだろうけど…。