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「あ、アキラさん。ぼくたちの車に乗りません？ 軽トラの荷台じゃ乗り心地悪いでしょ」

軽トラの荷台に登ろうとする僕にヒロキさんが声をかけてくれる。

「あ、じゃあお言葉に甘えて…」

僕はヒロキさんのワゴン車に移動した。
またれんじは機嫌悪そうに舌打ちをする。
アカツキちゃんは「わぁい、一緒にトランプしよ～！」と子供並みに喜んでいた。

すると駐車場に一台のスポーツカーが入ってきた。エンジンをふかしながらワゴン車の隣に乱暴に停める。

「…ったく、ひどい目にあったぜ！」

「まさかあんなところに見えない壁があるとはな」

男二人組の会話に、僕たちは耳を澄ました。
見えない壁ってなんだ？

「ちょっといいかな、君たち」

ヒロキさんが二人組にやんわり話しかける。
そして話を聞くと僕たちのもとに戻ってきた。

「ほらね、早速ＮＰＣがイベントを持ち込んできたよ」

ヒロキさんはニッコリと笑った。

「この先にトンネルがあるんだけど、どうやらそのトンネルの中に見えない壁があるらしい」

「どういうことだ」

れんじが険しい表情で聞き返す。

「詳しくはわからないけど、トンネルの中で何台もの車が見えない壁にぶつかって事故を起こしたんだって。で、今そこは通行止めになってて渋滞しまくりだから行かないほうがいいらしい」