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僕らのらんど

第5章 美女と兎

「どうします? 一旦、お師匠様の別荘に戻りますか?」

「そうね…」

家に帰れないなら今はそうするのが安全だろう。
幸い、そらじじいは建物全体を囲むくらいの魔法障壁を使えるし、レベル99の勇者だ。

「じゃあ、ここで別行動ですね」

「え?」

ヒロキさんのアッサリした言葉に僕は目を丸くした。

「ヒロキさんたちはどうするんですか?」

月影が問う。

「ぼくたちは情報を集めたいので、とりあえず見えない壁まで行ってきます」

「えっ、弾がもうないんでしょ? モンスターが出たらどうするの?」

まあやさんが心配する。

「まあ、モンスターはどこにいても出ますからね~。それに武器は銃だけじゃないですよ。あ、何かあったら連絡しますので」

ヒロキさんはそう言うとワゴン車に戻って行った。
アカツキちゃんの「やだ、一緒に行く~!」の声が聞こえたけど、彼らはすぐに駐車場を後にした。

「本当に行っちゃった。すごい勇気ある人たちよね」

「……」

本当に。
見えない壁があると知った途端、目をキラキラさせてたヒロキさん。
危険だけど冒険したいっていう気持ちは僕にもわかる。だから正直一緒に行きたかったけど…。

「アキラくん、疲れたでしょ? 助手席に乗っていいわよ」

まあやさんが気を使ってくれる。
だけども女性を危ない目に合わせる訳にはいかないから断った。

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