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僕は軽トラの荷台に仰向けになって寝転んだ。
相変わらずガタガタと振動はくるが、青い空を眺めてると眠くなる。

「のどかだなぁ…」

うとうとしてると、耳のそばでベチャッと音がした。

「ん……うわっ！」

その黒い物体を見て心臓が止まりそうになった。

「な、なんだよ、これっ…」

それはカラスだった。
一羽だけじゃない、次々とカラスが上から降ってくる。

「まさかっ…」

僕はヒロキさんの言った言葉を思い出した。

『鳥や他の生き物も見えない壁に当たって落下してきてるらしいですよ』

僕は荷台から身を乗り出して前方を確認する。

「月影、止まれっ…！！」

キキィ──ッ！！

僕の声と同時に、車はブレーキ音を立てて止まった。すぐに車から降りると、目の前に広がる異様な光景に釘付けになった。

「嘘でしょ……」

見えない壁に弾かれたカラスたちが、次々と地面に落下している。

「さっきは通れたのにどうして…！」

月影は大きめの石を拾うと、見えない壁に向かって投げた。石は見えない壁に当たって弾く。向こう側は見えているのに、空間を触ると壁がある。なんだか不思議な感じだった。

「困りましたね、これではお師匠様の別荘に行けませんね」

まさかこんな事態になってるとは…。