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僕らのらんど

第5章 美女と兎

その時、ズボンのポケットに入れていたスマホがブルブルと震えた。
マナーモードにしているため警告音は鳴らないが、画面が赤く点滅していることからモンスターが接近しているのだとわかった。

「アキラさん、まあやさん!」

月影も気づいたようで、僕たちは軽トラを背に周りを警戒した。

れんじの話だと、警告音でこっちの居場所がバレて相手から先に攻撃をされることがあるらしい。
確か僕もそれでゴブリンに気付かれたことがあった。

「マジックシールド!」

僕は月影とまあやさんと自分にマジックシールドをかけた。物理攻撃と魔法攻撃から防いでくれるバリアだ。効果は薄いがないよりはマシだろう。

それと僕は軽トラの荷台の袋から釘バットを取り出した。これはそらじじいからもらった僕の唯一の武器。僕の腕だと殺傷能力は低いが殴打してダメージを与えることはできる。

「…ん?」

なんだか急に霧がかかってきた。
さっきまですごく天気が良かったのに、嫌な予感がしてならない。

「なによこの霧…。これじゃあどこから敵がくるかわからないじゃない!」

「二人とも気をつけてください!」

霧はどんどん濃くなっていく。


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