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僕らのらんど

第5章 美女と兎

「普通はできねーよ! てかそれ、まあやさんには絶対言うなよ!?」

「すみません…」

「でも、助かった。いくらなんでもあの数の蜘蛛と戦うのは無理ゲーすぎる」

「アキラさん…」

月影はホッとしたようだ。

「これからどうしますか? あの見えない壁があるかぎりお師匠様の所へは行けませんし、今日泊まる場所も探さないと…」

月影はスマホで時間を確認した。
確かにもうすぐ夕方だ。
さすがに夜出歩くのは危険すぎる。

「ヒロキさんたちと合流しよう。もしかしたら見えない壁について情報を得てるかもしれない」

その時、まあやさんがフラフラしながら草むらから歩いてきた。

「まあやさん、大丈夫ですか?」

「…なんとか…」

しかしまあやさんの顔色は悪い。

「効くかわからないけど…」

僕はまあやさんに治癒魔法をかけた。

「…ありがと」

力なく微笑むまあやさんを見て、早く休ませてあげたいと思った。

「よし、とりあえずさっきのバニーズまで戻るぞ」

僕はまあやさんを助手席に座らせたあと、荷台に上がろうとした。

「うわっ」

荷台のあちこちには蜘蛛の糸が張りめぐされていた。巨大な蜘蛛だけあって、糸の太さや強度もある。絡み付く糸を釘バットで払って、僕は荷台に乗った。

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