僕らのらんど
第5章 美女と兎
「なんだよ、また蜘蛛かっ!?」
僕は荷台から身を乗り出した。
前方を見ると、道路の真ん中に髪の長い女性が立っていた。
「……誰?」
月影も僕も警戒して、すぐに車から降りない。ヒトなのかモンスターなのか、じっくり観察するためだ。
しかしスマホが震えることはなかった。
「ちょっと声をかけてきます」
月影が車から降りて、女性のもとへと歩いていった。そしてなにか普通に話したあと、月影は女性を連れて戻ってきた。
「アキラさん、こちらの女性は道に迷ったらしいです。町まで乗せていってほしいと言ってるんですが、いいですか?」
月影がそう言うと、女性は僕を見てペコリと頭を下げた。
「わたくしは呉葉(くれは)と申します。お恥ずかしながら、道に迷ってしまって困り果てておりました。御礼は致します、どうか町まで乗せていってくださいませんか?」
呉葉さんは丁寧な口調と清楚な感じの服装から、お嬢様っぽかった。
なぜこんな何もない田舎道に一人で?と思ったが、困ってるなら仕方ない。もうすぐ日が落ちるし、女性一人では危険だ。
「乗るとこ荷台しかないけど、それでも良ければ…」
僕は助手席をチラリと見た。
まあやさんが降りてこないのは具合が悪いからだろう。だからあえてまあやさんに声をかけるのはやめておいた。
僕は荷台から身を乗り出した。
前方を見ると、道路の真ん中に髪の長い女性が立っていた。
「……誰?」
月影も僕も警戒して、すぐに車から降りない。ヒトなのかモンスターなのか、じっくり観察するためだ。
しかしスマホが震えることはなかった。
「ちょっと声をかけてきます」
月影が車から降りて、女性のもとへと歩いていった。そしてなにか普通に話したあと、月影は女性を連れて戻ってきた。
「アキラさん、こちらの女性は道に迷ったらしいです。町まで乗せていってほしいと言ってるんですが、いいですか?」
月影がそう言うと、女性は僕を見てペコリと頭を下げた。
「わたくしは呉葉(くれは)と申します。お恥ずかしながら、道に迷ってしまって困り果てておりました。御礼は致します、どうか町まで乗せていってくださいませんか?」
呉葉さんは丁寧な口調と清楚な感じの服装から、お嬢様っぽかった。
なぜこんな何もない田舎道に一人で?と思ったが、困ってるなら仕方ない。もうすぐ日が落ちるし、女性一人では危険だ。
「乗るとこ荷台しかないけど、それでも良ければ…」
僕は助手席をチラリと見た。
まあやさんが降りてこないのは具合が悪いからだろう。だからあえてまあやさんに声をかけるのはやめておいた。