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僕らのらんど

第5章 美女と兎

「あら、かわいいウサギですわね」

呉葉さんが微笑んだ。
その姿をヒロキさんは鼻の下を伸ばして見つめる。

「う、うさぴょん…!」

そして気づくと、通路に月影とまあやさんが立っていた。
月影が白ウサギに変なあだ名をつけて喜んでいる。

「ボクはうさぴょんなんて名前じゃないぴょん! ちゃんと兎太郎っていう名前があるぴょん!」

「へ~! 兎太郎って言うんだね、うさぴょん可愛い~!」

「だから、うさぴょんじゃないぴょん!」

「あ~もう、さっきからぴょんぴょんぴょんぴょんうるさいな…」

結局僕たちはなんだかんだで、バニーズでグダグダな時間を過ごしてしまった。

「おい、ヒロキ。そろそろ宿探さねぇと」

れんじがやっと口を開く。
それ、もっと早く言って欲しかった。

「宿をお探しですか? それならわたくしの屋敷をご案内致しますわ」

「呉葉さんの? いいんですか?」

泊まる宿の宛てもなかった僕たちは、すんなり呉葉さんの言葉に甘えることにした。
呉葉さんと僕はヒロキさんの車に乗せてもらい、月影とまあやさんは軽トラで後からついてきた。

そこはバニーズからけっこう近かった。
見えない壁の外側じゃなくてよかったと誰もが安心した。

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