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「でっか…」

呉葉さんの屋敷は大きな二階建ての洋館だった。敷地も広くて、正門から建物の間に庭や噴水があった。

「お帰りなさいませ、呉葉お嬢様」

玄関にはズラリと女性の使用人たちが並んでいて、僕たちを出迎えてくれた。
どんだけ金持ちだっていう…。

「お部屋までご案内致します」

一人ずつ部屋を案内され、僕たちはやっとゆっくり休むことができた。

「ふかふかベッドだ！」

僕はベッドにダイビングし、そのまま意識を手放した。

「……ん」

ふと、眩しい光で目を覚ます。

「…えっ！？」

見慣れた天井と覚えのある部屋に驚き、僕は慌てて身を起こそうとした。

「ここ、僕の部屋……って、あれ！？」

僕の体はなぜか肩から足首まで白いロープのようなものでぐるぐる巻きにされていて、全く身動きが取れなかった。

「なんでこんな…誰か、誰かいないのか！？」

せっかく現実に戻ってきたというのにこんなことになっているなんて…。
いや、まてよ。というか、僕は今まで夢を見ていたんじゃないのか？ それでその間に何者かに部屋に侵入されて、ぐるぐる巻きにされたんじゃ？

スマホで確認しようにも、ズボンのポケットに入れてあるため出すことができない。
なんとか肩を動かしてみるも、ロープはぎちぎちに僕の体を縛っていてほどけることはなかった。