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僕らのらんど

第5章 美女と兎

「おはようございます、まあやさん。はい、ええ…。あ、今アキラさんと一緒にいるんです。食堂まで行きますね」

そう返事をすると月影は電話を切った。
一緒にいるとか、そういう誤解を招く発言はやめてくれ。

「はぁ…先行くぞ」

「あ、アキラさん、食堂の場所わからないですよね。一緒に行きましょう」

「……」

結局僕は月影のペースに乗せられてしまうのであった。

「おはよう、アキラくん。よく眠れた?」

食堂に行くと、長いテーブルの真ん中にまあやさんが一人座っていた。僕と月影が席につくと、使用人たちが朝食を運んできてくれる。

「ごめん、すぐに寝ちゃって。あれからみんなで集まったの?」

「うん。でもアキラくん寝てるし、みんなも疲れてたから話は明日にしようって、すぐ解散したのよ」

「そっか」

カチャカチャと手際よく食器が置かれ、目の前にはホテル並みの豪華な朝食が並べられた。

「すっげ、うまそ」

「まあやさんも顔色が良くなったようですね。安心しました」

僕が色とりどりの朝食に目を奪われてると、月影がまあやさんを気遣った。

「心配してくれてありがとう、月影くん」

けっ、気分悪くさせたのは月影だろうが。
そう思いながら僕は、フォークで生ハムをグサッと刺した。


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