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僕らのらんど

第5章 美女と兎

「えっ…」

「困ってらっしゃるのでしょう? この町から出られないとヒロキ様からお聞きしました」

僕とまあやさんと月影は顔を見合わせた。
見えない壁からいつ出られるかわからない、だから拠点として使わせてもらえるならすごく有り難いと思った。

「それはすごく助かります。ご迷惑をかけるかもしれませんが、呉葉さんのお言葉に甘えさせていただきます」

「ええ。ヒロキ様もそうおっしゃってましたので、気兼ねなくご利用くださいませとお伝え致しました。何かありましたら使用人にお申し付けくださいませ」

そう言うと呉葉さんはにっこり微笑んで、食堂から出て行った。

「呉葉さんって、ほんっといい人だよな」

「でも大丈夫かしら、モンスターが中まで入ってこないかしら…」

「その時は俺が皆さんを守ります」

かっこいいことを言ってる月影だけど、昨日みたいな蜘蛛軍団が現れたらどうすんだっての。

「たっだいま~!」

玄関から元気な声が聞こえてきたかと思うと、今度はヒロキさんとアカツキちゃんが食堂に入ってきた。

「あっ、アキラ、おはよう!」

「おはよう、アカツキちゃん。朝から元気だね」

「そりゃもう! アキラはすぐ寝ちゃったから知らないだろうけど、ここのお風呂すっごく広いんだよ! もう昨日の疲れなんか吹き飛んじゃった! アキラもあとでお風呂に入ってくるといいよ、ちょっと臭いから~」

「えっ…」

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