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僕らのらんど

第5章 美女と兎

言われて僕は自分の脇の匂いを嗅いだ。
確かにちょっと臭いかも…。

「ははっ、ここは女性が多いからね、身だしなみには気をつけないとね? アキラさん」

そう言うヒロキさんからは爽やかな香りが漂ってきた。

「あ、呉葉さんから話は聞きました? ここをしばらく拠点にさせてもらうって」

「はい、さっき」

ヒロキさんは月影の隣に、アカツキちゃんはまあやさんの隣に座る。
そういえば、れんじはどうしたんだろう。

「見えない壁の攻略には少し時間がかかりそうだから助かったよ」

「そういえば、見えない壁の形って…?」

僕がスクランブルエッグを食べながら聞くと、ヒロキさんはジャケットのポケットから数枚の写真を取り出した。

「これは…」

その写真に写っていたのは、なにやらぼやけた真っ黒なピラミッドだった。高い場所から撮ったであろう、町の一部を覆っている黒いピラミッドの写真もある。

「これって、もしかして見えない壁の外側から撮ったもの? 一体どうやって…!?」

身を乗り出して聞くまあやさんを前に、ヒロキさんは笑みを漏らした。

「この写真は昨日、道行くきれいなお姉さんに頼んで、壁の外にいるぼくの知人にメールして送ってもらった画像をプリントしたやつなんだけどね」

「えっ?」

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