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僕らのらんど

第5章 美女と兎

「ああ見えてれんじってモテるんですよ。イケメンが二人揃ってたら断る女はいないでしょ。…ってのは冗談だけど。あ、れんじは今筋トレ中だから、そのうち戻ってきますよ」

ヒロキさんが言うと冗談に聞こえない。

「ぼくたちのスマホは『LAND』っていう変なアプリに支配されてるじゃないですか、だから他の情報を遮断されたと思い込んでいた」

「!」

確かに。そらじじいの別荘にテレビがあったかどうか覚えてないが、軽トラにはラジオがついている。にも関わらず、ぼくたちは進んでラジオを聞かなかった。

「じゃあ私たちのスマホ以外で、壁の外にいる人たちに助けを呼べるってこと!?」

「だったら今すぐこちらのお宅の電話をお借りしてお師匠様に連絡…いえ、警察に電話しましょう!」

僕たちに希望が見えてきた。…と思ったが、ヒロキさんは首を横に振った。

「それが今はもう繋げないんですよ」

「えっ!?」

「さっき呉葉さんに電話を借りたんですが通じませんでした。それにテレビもラジオもネットも使えない。町でも全ての通信が途絶えていて、もちろん個人のスマホも。外ではかなりパニックになってましたね…」

「そんなっ…」

まあやさんががっくり肩を落とす。

「なるほど。見えない壁をなんとかしない限り、外部との連絡はできないってことか…」


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