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僕らのらんど

第5章 美女と兎

「普通にいい人…かな」

「……」

僕の返事にれんじは眉間にシワを寄せる。
僕、何か変なこと言ったか?

「お二人ともここにいらっしゃったんですね」

「!」

そしてまた月影がひょっこり現れた。
狭いサウナに男三人、汗を流す。
一体なんなんだ、この図は…。

するとれんじがおもむろに立ち上がり、

「おい、月影。しばらくこいつから目を離すなよ」

「…え? あ、はい!」

「!?」

れんじが何か意味深なことを言って去って行ったもんだから、月影は変なやる気を出してしまった。
僕から目を離すなってどういうことだよ!

風呂から出て廊下を歩いてると、女性の使用人さんたちとすれ違った。なんとなく視線を感じて振り返ると、使用人さんたちが僕と月影を見てキャッキャウフフとはしゃいでいる。

「…あの?」

「きゃ~! なんでもありませんわっ」

「?」

それだけ反応しといてなんでもなくはないと思うんだけど、僕たちは首を傾げながらも気を取り直して食堂へと向かった。

食堂ではなにやら使用人たちが集まって賑やかになっており、その中心にはヒロキさんがいた。

「はいはい、男たちの裸体写真はあと一枚だよ~! 早い者勝ちだよ~!」

「!?」

ヒロキさんが手に持ってる写真を見ると、まさかの僕たちの裸体写真だった。
もしかして脱衣場で視線を感じたのは…。


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