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僕らのらんど

第5章 美女と兎

「ちょっとヒロキさん、何やってんですか!?」

「あ、見つかっちゃった」

ヒロキさんは舌を出しておどける。
その周りでは使用人たちが僕たちを見てキャーキャーはしゃいでいた。

「月影様ぁ!」

「れんじ様ぁ!」

え? いや、僕はアキラだけど…と思ったら、僕たちの背後にれんじが立っていた。

「おい、ヒロキ。なんなんだよ、これは」

「あはは! ごめんごめん。だってさ、タダで泊めさせてもらうのもなんだか悪いなって思ってさ~」

そう言ってヒロキさんはポラロイドカメラを僕たちに見せた。

「使用人ちゃんたちも喜んでるし、持ちつ持たれつってことで」

「ちっ、クソが」

れんじは完全に怒って、食堂から出て行った。

「ああ…怒ってる姿もキュンキュン致しますわ…。あの瞳に睨まれたい。れんじ様ぁ~!」

なんと食堂にいる半数の使用人たちが、れんじの後を追って行ってしまった。

「ここの女性はMが多いみたいだね」

ヒロキさんはクククッと笑った。

「月影様、私たちと一緒にお庭を散歩しませんか?」

月影の周りには数人、使用人たちが集まっている。

「いや、俺は…」

戸惑う月影の腕を使用人たちはグイグイ引っ張っていた。

「あの、じゃあアキラさんも一緒に…!」

月影が僕に振り返る。
が、僕は「僕のことはいいから行ってこいよ」と親指を立てた。


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