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バンッ！

僕はいきなりデラックス使用人に壁ドンされた。

「…は？」

「ウフフ、あなたのこと初めて見た時からすっごく、美味しそう～って思ってたの」

「はあ？」

デラックス使用人のたらこ唇が近づいてくる。

「えっ…ちょっ…」

『やばい、キスされる！』と思った瞬間、物置小屋のドアがバァン！と勢いよく開いた。

「…れんじっ…」

そこにはドアを足蹴りにしたれんじがこっちを睨みながら立っていた。

「なんなのよあなた、邪魔しないでくださる！？」

れんじはデラックス使用人を無視して、真っ先に僕の胸ぐらを掴んだ。

「世話焼かせんな」

「…っ…」

れんじは相当機嫌が悪いらしい。
物置小屋を出ると、「アキラさん！」と月影がこっちに走ってくるのが見えた。

「大丈夫ですか、アキラさん！」

「おい、こいつから目を離すなって言っただろ」

「すみませんっ…」

「え、なに？ 一体どういうことだよ？」

なんのことだかあまり良くわかってない僕。
すると背後の物置小屋から、ドスドスと小走りに屋敷へと戻っていくデラックス使用人の姿が見えた。

「はぁ…なんかあいつ、僕のこと美味しそうって言ってたけど…」

れんじが助けに来なかったら今頃どうなってたか…。
いくらなんでもデラックスの相手は無理…てゆか、モテない僕にだって選ぶ権利はある！