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「ううっ、助けてくれ…」

「誰か助けてっ…！」

あちこちから助けを求める声がする。
何とかしてやりたいが、このままでは僕たちも巨大蜘蛛の餌食になってしまう。
だからってこの人たちを見殺しにするなんて…。

と、その時。

ゴゴゴゴゴと地鳴りがしたかと思うと、地面がグラグラと揺れた。

「地震っ…！？」

僕たちは立っていられなくなり、地面に這いつくばった。さすがのこの揺れでは巨大蜘蛛たちも身動きできないようでジッと固まっている。

今なら逃げられるかもしれない。
でもっ…。

するとピシピシッと地面に亀裂が入った。

「まずいっ…」

地割れに巻き込まれたらもっと酷い状況になる。
しかし亀裂はうまい具合に巨大蜘蛛集団がいる場所に入り、ほとんどの巨大蜘蛛たちは地の底に呑み込まれた。

「どうなってるんだ？」

それはまるで巨大蜘蛛だけを狙ったかのような亀裂の入り方だった。
呆然としていると、残りの蜘蛛たちは危険を感じたのか目の前から居なくなっていた。

「おばさんっ…！」

揺れがおさまると、まあやさんはさっきの女性のそばに駆け寄った。そしてぐるぐる巻きにしている糸を力付くで引きちぎろうとしたが、全く歯が立たなかった。

「どうしたらいいのっ…」

僕たちも手を加えるが、やはりびくともしない。
途方にくれた時、

「お客様、それは私たちにお任せくださいませ」

「えっ…」

突如背後から声をかけられ、僕たちはその人物を見上げた。