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僕らのらんど

第5章 美女と兎

「あなたたちはっ…!」

その人物たちは、頭にウサギ耳をつけたバニーズのウェイトレスたちだった。
彼女たちは両手に包丁を持っている。

「ふふっ、この切れ味抜群の包丁なら、ちょちょいのちょいで簡単に切れるんですよ」

「お、お願いしますっ…!」

僕たちは彼女たちを信じることにした。
バニーズのウェイトレスは包丁を構えると、目に見えない速さでぐるぐる巻きになった糸を切り刻んだ。

「あっ…!」

ぐるぐる巻きだった糸はバラバラに散り、女性は怪我もなく助かった。

「私助かったの? ああっ…ありがとうねぇ!」

見渡せば、他のぐるぐる巻きにされた人たちもバニーズのウェイトレスたちによって救出されていた。
そしてウェイトレスたちの中に、あの白ウサギの兎太郎もいた。

「うさぴょんっ!?」

アカツキちゃんが目をキラキラさせて、兎太郎に抱きつく。

「わっ! こら、危ないぴょん!!」

「うさぴょん、もふもふ~! かわいいっ!」

「あ、アカツキさんっ…、次、俺にも触らせてくださいっ…!」

気づけば月影も触る順番待ちをしている。

「ボクに触るなぴょん~~!!」

「あはっ。太郎ちゃんってばモテモテねっ」

バニーズのウェイトレスたちがクスクス笑う。
一時はどうなるかと思ったけど、彼女たちのおかげで最悪な事態は免れた。

「しかしさっきの地震はなんだったんだろうな」

れんじが辺りを見回しながら呟いた。
地割れが起きた場所は巨大蜘蛛を呑み込んだあと、綺麗に閉じられていた。

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