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僕らのらんど

第5章 美女と兎

ヒロキさんのいない食事の時間はなんとなく静かだった。月影やれんじに群がっていた使用人たちは大人しいし、僕に迫ってきたデラックス使用人もあれから姿を見かけない。
今日はもう何事もなく眠れそうだ。

夕飯を食べ終え部屋に戻る途中、僕はまあやさんに呼び止められた。
そのまま一緒にまあやさんの部屋に入る。

「お邪魔します…」

思わず整えられたベッドに目が行きドキッとした。

「適当に座って」

僕はソファーに、まあやさんはベッドに腰かけた。

「アキラくんはさ…ここを攻略したらどうするの?」

「ん? まずは武器屋に行って武器と防具を買い揃えて、まあやさんを家まで送るよ」

「その後は?」

「その後? そりゃもちろん皆と旅に──」

そこまで言いかけて、僕はハッとした。
そういえばれんじたちと行動するのは武器屋までだった。

「さっきね、れんじくんが言ってたじゃない? ユグドラシルへ行くって…」

「うん」

てっきり僕もそのつもりだった。

「私、なんだか怖くなっちゃって…」

まあやさんはそう言いながら、そばにあった枕をギュッと抱きしめた。

「レベルは低いし、魔法が使えても全然役に立たないし、目の前で助けを求めてる人がいても何もできなくて…すごく怖かったの」

「……」

「だからね、私は皆と一緒に行けない。たぶん、足手まといになるだけだと思うの」

「…まあやさん…」

それを言ったら僕だって、全然役に立ってない。

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