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僕らのらんど

第5章 美女と兎

ここを攻略したら、まずはそらじじいに詳しく聞かないとな。
なんでもいい、スーツ男の情報を知りたい。

「…まあやさん」

僕はソファーから立ち上がり、まあやさんの目の前に立った。
本当なら肩でも抱いて慰めるべきなんだろうけど、僕にはそんな器用なことはできない。

「大丈夫…。僕はずっとまあやさんのそばにいるよ」

僕の言葉に、まあやさんがピクリと反応した。

「まあやさんを絶対一人にしないから…。だからまずは、このふざけたアプリを作った奴を探しにいこう」

そこまで言うと、まあやさんはゆっくりと顔を上げた。

「…そばに、いてくれるの?」

「!」

頬を赤く染め、瞳を潤ませるまあやさんにドキッとする。弱々しく僕にすがりつくような目は、まるで捨てられた子猫のようだった。

「まあやさん…」

僕はたまらなくまあやさんを抱きしめたくなった。
月影じゃなくて僕に頼ってくれたことがめちゃくちゃ嬉しかった。
だから何があってもこの人を守らなければ…。

「ずっと、そばにいる」

こんなセリフ普段じゃ歯が浮いて言えないけど、今のまあやさんには必要なものだ。
まあやさんを安心させたい。

僕はまあやさんに両腕を伸ばした。
きっと今ならまあやさんもそれを望んでるはず…。

しかしボスッと柔らかいものが僕の顔を覆った。
おっぱい…じゃない、枕だ。

「そういうのは、だめ」

「──え」

まさかの拒否。
枕を横にずらすと、まあやさんはいつもの表情に戻っていた。

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