僕らのらんど
第5章 美女と兎
「んじゃあ、反対側」
鍵がかかっている。
鍵がかかっている。
鍵がかかっている。
「はあ? なんでだよ!」
ムキになって全部調べたけど、まあやさんの部屋にまで鍵がかかっていた。
「どういうことだ?」
さっきの女性の肖像画の前で腕を組む。
「この肖像画…呉葉さんに似てるな」
そう思った時、女性の黒目がギョロッと動いたような気がした。
「うわっ」
背筋に悪寒が走る。
気づけば屋敷内は静まり返っていて、人の気配すらしていなかった。しかも廊下の奥は暗闇で、まるで何かが蠢いているかのように見えた。
「…っ…」
僕は生唾をゴクリと飲み込んだ。
早く部屋の中に入らないと、その何かに襲われそうな気がして…。
ふと暗闇に白い影が浮かびあがった。
「…っ!」
僕は叫びそうになるのを両手で防いだ。
その白い影はスーッとこっちに向かってきたかと思うと、途中で向きを変えて螺旋階段を上がって行った。
その姿はなんとなく呉葉さんに似ていた。
「……」
二階には呉葉さんの部屋がある。
とてつもなく嫌な予感がするけど、なんとなく行かなければいけないような気がして、僕は螺旋階段を上り始めた。
ギシッ、ギシッと嫌な音がする。
なぜか二階の廊下も明かりがついていない。
唯一の光は大きな窓から見える月の明かりだけで、それも雲に隠れそうになっていた。
──あ、スマホ。
そうだ、明かりがないなら自分で照らせばいいんじゃんとスマホを取り出した、その時。
鍵がかかっている。
鍵がかかっている。
鍵がかかっている。
「はあ? なんでだよ!」
ムキになって全部調べたけど、まあやさんの部屋にまで鍵がかかっていた。
「どういうことだ?」
さっきの女性の肖像画の前で腕を組む。
「この肖像画…呉葉さんに似てるな」
そう思った時、女性の黒目がギョロッと動いたような気がした。
「うわっ」
背筋に悪寒が走る。
気づけば屋敷内は静まり返っていて、人の気配すらしていなかった。しかも廊下の奥は暗闇で、まるで何かが蠢いているかのように見えた。
「…っ…」
僕は生唾をゴクリと飲み込んだ。
早く部屋の中に入らないと、その何かに襲われそうな気がして…。
ふと暗闇に白い影が浮かびあがった。
「…っ!」
僕は叫びそうになるのを両手で防いだ。
その白い影はスーッとこっちに向かってきたかと思うと、途中で向きを変えて螺旋階段を上がって行った。
その姿はなんとなく呉葉さんに似ていた。
「……」
二階には呉葉さんの部屋がある。
とてつもなく嫌な予感がするけど、なんとなく行かなければいけないような気がして、僕は螺旋階段を上り始めた。
ギシッ、ギシッと嫌な音がする。
なぜか二階の廊下も明かりがついていない。
唯一の光は大きな窓から見える月の明かりだけで、それも雲に隠れそうになっていた。
──あ、スマホ。
そうだ、明かりがないなら自分で照らせばいいんじゃんとスマホを取り出した、その時。