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僕らのらんど

第5章 美女と兎

意見が別れた。
たぶん、兎太郎がそう言うのは動物の本能からだろうな。
僕も正直、なんとなく嫌な予感がする…。

月影はともかく、ヒロキさんがここに留まることを勧めるなんて、やっぱりあれか? 呉葉さんとイケナイことをするためか…?

「れんじはどう思う?」

「俺は野宿でも構わねぇけどな。でもさすがに何人も守れねぇし、目の前で死なれるのは胸糞悪い。それだったらまだここの方が安全かもな」

嫌な言い方だけど、確かにれんじの言うことはもっともだと思った。
僕がそらじじいみたいに強力な魔法障壁を使うことができれば、また話は違ったんだけど…。

「まあ、スープに蜘蛛くらい許してあげなよ」

ヒロキさんが僕に笑いかける。

「忠告はしたぴょん。あとはどうなっても知らないぴょんよ」

ムスッと膨れて、兎太郎は食堂から出て行った。

「待ってください、うさぴょん!」

そんな兎太郎を追いかける月影。
月影、兎太郎にメロメロじゃん。
兎太郎は雄なのに………って。
ま、ままままさか、やっぱり月影って!?

「おい、ヒロキ。まさか完全にあの女を信用したわけじゃないだろうな」

れんじの鋭い発言にドキッとする。

「もちろん、信用はしてないよ。少しずつ探りは入れてるけどね」

「……」

まさか呉葉さんに探りを入れるために、あんなことを?

「ミイラ取りがミイラになるなよ」

「ふっ…誰に言ってんの」

ヒロキさんは余裕そうだ。

結局僕たちはまた屋敷で寝泊まりすることになった。今度はまあやさんが体調を崩し、寝込んでしまったのだ。

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