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僕らのらんど

第5章 美女と兎

「アキラ、今のうちにヒロキを頼む!」

れんじが僕に向かって叫んだ。
僕は頷き、階段を駆け上がった。

「ボクも行くぴょん!」

兎太郎が後からついてきてくれる。
頼もしい限りだ。

「…っ…」

二階もすでにあちこち蜘蛛の巣だらけだった。僕は息を飲んで、呉葉さんの部屋のドアの前に立った。

この扉を開けたら、下半身が蜘蛛の呉葉さんがいる。
つまり、ここのボスだ。
まさかあんな綺麗な人が蜘蛛だったなんて、ヒロキさんは呉葉さんの正体を知っているのか?
早く助けないと…。

ドアのノブを持つ僕の手が震える。
すると、ポンポンと兎太郎が僕の足を叩いた。

「大丈夫ぴょん。何があってもボクがアキラを守るぴょん!」

「兎太郎…」

まさかウサギに守られる日が来ようとは…。
もしや小学生の頃に学校でウサギの世話を少ししてたから、それの恩返しなのか?

「ああ…頼むぞ、相棒!」

僕たちは部屋に乗り込んだ。

「ヒロキさん!! ……うっ!!」

勢いよく入ったものの、目の前に待ち構えていた巨大蜘蛛の呉葉さんの姿にたじろいだ。

あの映像で見たとおり、呉葉さんの上半身は蜘蛛の腹部と繋がっていた。上半身は裸だけど、下半身がグロテスクなだけに全くそそられない。

「く、呉葉さん…」

『あら、アキラ様…。あなたもワタクシに精液をくださるのかしら?』

ペロリと呉葉さんが赤くて長い舌を出す。

「……やめろっ……」

部屋の奥からかぼそい声が聞こえてきた。
よく見ると、呉葉さんの背後に巨大な蜘蛛の巣があり、そこの網にヒロキさんが捕らえられていた。

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