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僕らのらんど

第5章 美女と兎

「待って、アキラさん…!」

「うわっ」

蜘蛛の巣の糸はネバネバしていて、僕の足と手は網にくっついてしまった。

「だから待ってって言ったのに…」

ヒロキさんが苦笑する。
そういえば蜘蛛の巣の糸はネバネバしているんだった。

「そんな時はこのあたしにお任せを!」

背後からアカツキちゃんの声が聞こえた。
シャキシャキと糸を切る音がする。
僕とヒロキさんの体は自由になった。

「ありがとう、アカツキ」

「ヒロキ、無事で良かった! すっごく心配したんだからね!」

アカツキちゃんがヒロキさんに抱きつく。
そんなアカツキちゃんの頭をヒロキさんは優しく撫でた。

「アカツキも無事で良かったよ」

「やっぱり、あの女の正体は巨大蜘蛛だったんだな」

れんじが月影に肩を貸してもらいながら歩いてきた。その隣にはまあやさんもいる。

「れんじ、怪我したのか?」

「こんなのかすり傷だ」

兎太郎がすぐに治癒魔法をかける。

「ヒロキさんがご無事で良かったです! あとはあの巨大蜘蛛のボスを倒すだけですね!」

月影が窓の外を見る。
兎太郎が言ったとおり、巨大蜘蛛化した呉葉さんはまだ死んでいなかった。
つむじ風に飛ばされたあと、運良く屋敷の敷地内に着地したらしく、壁を伝ってこっちに向かっていた。

「巨大蜘蛛が来ます! 皆さん、後ろに下がってください!」

月影が叫んだと同時に「ガシャンッ!!」と窓が割れ、巨大蜘蛛化した呉葉さんが突っ込んできた。

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