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僕らのらんど

第5章 美女と兎

れんじは釘バットを持って屋敷内へと戻って行った。

「うっ…」

ヒロキさんが苦しそうに胸を押さえる。

「ヒロキさん、大丈夫?」

さっき二度治癒魔法をかけたけど、ヒロキさんのHPバーはあまり回復しなかった。

「アキラさん、お願いがあるんだ。車でちょっと休みたいんだけど…」

僕はヒロキさんをヒロキさんの車まで連れて行った。車の後部座席を倒してヒロキさんを寝かせてあげる。
ふとヒロキさんの下半身が目に入った。

「ヒロキさん…」

「ん?」

「その、アソコ…大丈夫なんですか?」

「…。あぁ、アキラさんには見られちゃってたか」

「見たくはなかったんですけどね…」

僕はポリポリと頭を掻いた。

「どうやら精液と一緒に、体液を少し吸われたみたいでね…」

「えっ…」

「本当は途中から彼女の正体はわかってたんだ。でも彼女に心までも捕らえられてしまったみたいでさ…れんじに突っ込まれた時は焦ったよ」

「ヒロキさん…」

「惚れた女が蜘蛛とか、笑えないよね」

ははっ、とヒロキさんは力なく笑った。
僕は何も答えられず、そのまま車を後にした。
まだヒトだった頃の呉葉さんだったら、二人は似合いのカップルになってただろうに…。

「あ、アキラくん! 巨大蜘蛛が…!」

まあやさんたちのもとに戻ると、ちょうど二階の窓から巨大蜘蛛化した呉葉さんが壁を伝って降りてくるのが見えた。

「兎太郎、頼むぞ!!」

僕は念のため《マジックシールド》をその場にいる全員にかけた。

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