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僕らのらんど

第6章 デスゲーム

そうしてるうちにすぐそばで『ヴヴ…』と唸り声が聞こえた。

『うわっ…ああっ…うわぁぁぁぁ!!』

今井先生の悲痛な叫び声が聞こえる。
誰もがカーテンの先を見つめ、ゴクリと息を飲み込んだ。

「い、今井…先生っ…」

まり先生が涙目で呟く。
一人見殺しにしてしまった罪悪感が波のように押し寄せてくる。

「し…仕方ねえじゃん! 窓を開けたら俺たちも殺されていたかもしれないんだぞ!?」

誰も何も責めていないのに茶髪男が言い訳を撒き散らす。

「そうだよ、僕たちは悪くない! それに生徒を守るのが先生たちの役目だろ!」

眼鏡男も開き直る。
しかもこの期に及んで生温いことを言うとは…。
確かにこの状況なら仕方ないかもしれない。
だけどもう教師とか生徒とかは関係ない。
自分の身は自分で守らないといけないんだ。

「それならここから脱出するわよ」

つくし先生がハイヒールをカッと鳴らしながら腕を組んだ。

「ここから脱出する!?」

「そんな…周りは変なゾンビとか野犬がウロウロしてるんですよ!? ここにいた方が安全ですよ!!」

「ここも安全ではないわ。いつ窓やドアを破られるかわからないもの。だから私とまり先生の車で脱出しましょう」

そう言うとつくし先生は棚から薬品の瓶を取り出した。その瓶は傷口を消毒するオキシドールだった。
つくし先生はそれを何本か鞄の中に入れる。

「まり先生、スマホと車の鍵は持ってる?」

「あ、職員室に…」

「それならまずは職員室ね」

オレとまり先生は頷いた。
しかし他の三人とやんすさんは戸惑っている。


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