テキストサイズ

僕らのらんど

第6章 デスゲーム

「も、もう、あっしは…誰かの影に隠れて怯えながら生きてくのはやめにしますっ…」

「やんすさん…」

「もしかしたら、あっしが魔法使いになったのって、何か意味があるのかなって…思ったんです」

「……」

職業の意味か…。
レベルはバラバラだし、一見ランダムに割り振られてるように見えるけど、もしかしたら本人に関連しているのかもしれないな。
オレも多少の剣道の経験はあるし。

「だから、そのっ…戦います!」

やんすさんがそう決心すると、つくし先生は眼鏡のブリッジを押し上げてクスリと笑った。

「ええ、もちろん一緒に戦いましょう。やんすさんの魔法、頼りにしてるのよ」

「えっ、そそ、そうなんですかっ…」

やんすさんの顔がぱっと明るくなる。

「やんすさんの魔法ってなんですか?」

まり先生が聞くと、やんすさんはコホンと咳払いしたあと、ニンマリ笑った。

「よくぞ、聞いてくださいました! あっしの魔法はなんと…時空魔法です!!」

そう言ってやんすさんはドヤ顔する。

「え!? 時空魔法って、チートじゃないですか! なかなか覚えられるものじゃないですよ!」

まり先生はなぜか興奮している。

「まり先生、詳しいのか?」

オレが聞くと、

「あっ、私こう見えてゲームばかりしているオタクで……」

「そ、そうなんですか!? あっし、まりしゃんとは気が合いそうですっ…!」

「まりしゃん?」

「あ、すすすすすみません! 勝手に変な呼び方してっ…」

「ううん、ちょっとびっくりしただけ。ふふ、私のことは"まりしゃん"でいいよ」

「ま、まりしゃん!」

なんだかやんすさんとまり先生が意気投合している。でもおかげでピリピリしていた空気が和らいだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ