テキストサイズ

僕らのらんど

第6章 デスゲーム

「は? 小倉抹茶うどん?」

「あら、ひなたくん知らない? 最近この馬飼町に甘味うどん屋さんがオープンしたの。甘味とうどんだなんて邪道だって言われてるけど、最近少しずつ人気が上がってて。ぜひ、ひなたくんにも食べて欲しいなぁ」

小倉抹茶うどん…
想像しただけで吐き気がしてきた。

「いいですね! あっしも食べたいです!」

やんすさんまで…マジか?

「そうね、そろそろ甘いものが食べたくなってきたものね(私はコーヒーだけにするわ)」

つくし先生まで…。
てか心の声聞こえてるけど。

「まあ最初は小倉抹茶うどんはハードル高いから、ひなたくんにはいちごチョコうどんなんてどうかな?」

「……遠慮しときます」

いちごチョコうどんもハードル高いと思いつつ、オレはフッと笑った。
肩の力がだいぶ抜けた気がする。

「まあ、うどんは食わねぇけど、喫茶店にはみんなで行こうぜ」

必ず、みんなで。
誰一人欠けることなく。

その時、オレのスマホがブルブル震えた。

《ブー! ブー!》
《モンスターと接近中!》
《モンスターと接近中!》

「来るわよ!」

つくし先生が叫ぶ。
敵のテリトリーに入った途端、オレたちに気づいたデュラハンの馬が一声嘶く。

「やんすさん、時間停止魔法を!」

「あわわわわ…」

やんすさんは震えるスマホを車の床に落としてしまった。

「す、すみませんっ…」

デュラハンが馬を走らせながら正面から猛突進してくる。

「まり先生、ハンドル切って!」

「くっ…!」

車はエンジンを吹かしながら右に曲がる。
なんとか間一髪避けれたものの、デュラハンの振り下げた剣が車の屋根に当たってしまった。
その威力は天井が少し凹むほどだった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ