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僕らのらんど

第6章 デスゲーム

視界が回転する。あちこち体をぶつける。
一体何が起きたのかわからない。
ただつくし先生の頭から血が流れてるのがうっすらと見えた。

つくし先生…怪我を…
早く…まり先生…
回復……

「……くん! ひなたくん!!」

オレはハッと意識を取り戻した。
目の前には涙でグシャグシャの顔をしたまり先生がいて、

「ひなたくん! 良かった、死んじゃったかと思った…!」

オレはまり先生に抱きしめられた。

「…生きてるよ、まり先生」

抱きしめられて驚いたけど、人の温もりを感じられてほっとした。

「まり先生も無事で良かった。やんすさんと、つくし先生は?」

「…っ!」

ビクッとまり先生の体が反応する。

「…え? なに?」

オレは離れた場所につくし先生の車が置いてあることに気づいた。助手席部分と天井がかなり凹んでおり、無惨な姿になっている。

「……え、嘘だろ……」

確かめに行こうとすると、まり先生が服を掴む。

「ちょ、まり先生、離し…」

「間に合わなかったの!!」

「……え?」

「回復、間に合わなかったのっ……私が目を覚ました時には、もうっ…!!」

「………」

まり先生が何を言ってるのかわからなかった。
いや、理解したくなかった。

「……確かめてくる」

ちゃんと自分の目で確かめないと納得できない。
オレは泣きじゃくるまり先生の手を振り払い、無惨な姿になってしまった車へと歩いた。

かなり向こうの方にはデュラハンの姿が見える。
恐らく、ギリギリ回避して敵のテリトリー内から脱出できたんだろう。

「……はぁっ……」

歩く度に体がズキズキする。
でもきっとつくし先生ややんすさんはオレよりひどい怪我を負ってるに違いない。
早く手当てをしなければ…。

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