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僕らのらんど

第7章 真実

「敵っ…?」

オレたちは音のする方を見て身構える。
すると喫茶トムの隣の店から、図体のでかい強面の男が出てくるのが見えた。

「なんだ、人か…」

音の正体は、男が履いている下駄の音だった。
男は白衣を着て、手にはハサミを持っている。

「えっ…なんかあっしら、睨まれてませんか?」

やんすさんが助手席のシートに顔をひっこめる。
男は眉間にシワを寄せながら、こっちに向かって歩いてきた。
オレは車から降りて、男の前に立ちはだかる。

「何か用ですか?」

「……」

男は無言でオレを見下ろした。

でかいな…
オレとの身長差は20センチくらいか?
もしいきなり襲われたら…

「あんたら…」

そう言うと男は左手を振り上げる。

「…っ!」

「すいまへん、ここ駐禁なんですわ~。車どかしてくれまへんか?」

「……へ?」

男は振り上げた手で頭をポリポリ掻いている。
しかも急にヘラヘラしだして、オレは二、三度瞬きした。

「すみません、今どかしますからっ…」

まり先生が慌てて運転席に乗り込む。

「みんなは先に喫茶店の中に入ってて。私、駐車場探してくるから」

「いや、そういうわけには…」

途中でモンスターに襲われたら大変だ。

「あ、ちょ、待ってください! 車ならあっしに任せてくださいっ」

そう言うとやんすさんは車から降りて、スマホを取り出した。

「このアイテムボックスに車を収納します」

「やんすさんの時空魔法で?」

「はいっ! だめもとでやってみますね!」

車からみんな降りると、やんすさんは時空魔法を発動させた。するとやんすさんのスマホ画面は白色に光り、一瞬で車を吸い込んだ。

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